コロナウイルス

【有効性は否】新型コロナウイルスが動かす見えない世界とは。

新型コロナウイルス感染症のワクチンは、国内外で開発が進められています。現時点では国内で薬事承認された新型コロナウイルス感染症のワクチンは存在せず、ワクチンの開発には一般に年単位の時間がかかりますが、厚生労働省では、できるだけ早期にワクチンを実用化し皆様にお届けできるよう取り組んでいます。

米Pfizer社とドイツBioNTech社は、2020年11月9日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対して開発中のmRNAワクチン(開発番号:BNT162b2)の第3相臨床試験(米国の臨床試験データベースの登録番号:NCT04368728)について、中間解析を初めて実施した結果、90%を超える有効性が示されたと発表した。あくまで中間解析の結果ではあるが、発表を受けて日米欧の株価は大幅に上昇している。

第3相臨床試験は、18歳から85歳の4万3998例の被験者を対象として、BNT162b2接種群またはプラセボ接種群に1対1で割り付け、安全性と有効性を評価するランダム化観察者盲検試験(観察者である医師にのみ割り付けを隠蔽した臨床試験)。2020年7月から、米国、ブラジル、アルゼンチン、南アフリカ、ドイツなど複数国の154施設で実施されている。これまでに4万3538例の被験者が登録され、2020年11月8日までに3万8955例が2回接種を完了した。

この第3相試験について、外部の独立データモニタリング委員会(DMC)が初めて中間解析を実施した。その結果、過去に新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)への感染歴が無い被験者のうち、2回目の接種から7日後以降にCOVID-19を発症した症例が合計で94例に上った。その内訳を調べたところ、BNT162b2接種群とプラセボ接種群を比較して、90%を超える発症予防効果が示されたという。これまでのところ、重篤な有害事象は認められていない。

一般にワクチンの有効性は、被験者の一方にワクチン、もう一方にプラセボ(非接種のこともある)を接種し、「ワクチン接種群で疾患を発症した被験者の数」と「プラセボ接種群で疾患を発症した被験者の数」を比較して、ワクチンの接種によって疾患になるリスクをどの程度減らせたかで評価する。例えば、1000例にワクチン、1000例にプラセボを接種し、ワクチン接種群で100例が疾患を発症し、プラセボ接種群で200例が疾患を発症すると、有効性は50%となる。

ただ、今回のCOVID-19のように、感染率が低かったり、感染しても発症しないケースがあったりする感染症の場合、ワクチン接種群でもプラセボ接種群でも、臨床試験の追跡期間中に疾患(COVID-19)を発症する割合が非常に限られるのが課題だ。そのためCOVID-19ワクチンの開発では、製薬企業が数万例の被験者を対象とする規模の大きい臨床試験を組むのが珍しくない状況になっている。

今回の中間解析では、(1)2回目の接種から7日後以降に被験者全体で94例がCOVID-19を発症したこと、(2)90%を超える有効性が示されたこと──が明らかになった。それ以上の詳細は明らかではないので、ここでは「90%を超える有効性」がどういうことなのか考えてみる。

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