11月30日にJC・JK流行語大賞の中で「量産型ヲタク」がありましたね。
地雷メイク×厚底のローファー×ピンクと黒を取り入れたファッションは量産型コーデと呼ばれ「量産型ヲタク」を象徴するファッションとして街中で頻繁に見かけられます。2000年代に大流行した姫ギャルの2020代版とされ、量産っぽいメイクやファッションはかわいく見えるとヲタ活をしている女子中高生でスタイルに取り入れる人が続出しています。「量産型ヲタク」の幅は広く、ジャニーズやバンギャ・歌い手まで幅広い層に支持されています。
「量産型」とは、もともと「大量生産型」の略称である。自動車や家電製品などのように、大量に生産される工業製品に対して使用されてきた。
大量生産型の「大量に存在している」という意味が転じて、髪型・メイク・衣服・振る舞いなどが画一的であり、「どこにでもいそうな人」に対して、2014年頃から「量産型」という言葉が使用されはじめた。「量産型ファッション」という表現が一例である。若者のファッションについて研究する共立女子大学の渡辺明日香教授によれば、「量産型ファッション」が広がった背景には「周りの友だちから浮かないように、目立ちすぎず、みんなが着ているような衣服を着用し、空気を読んで行動をする人が増えてきたこと」があるという。
「量産型ファッション」の背景には、「ユニクロ」や「H&M」といったファストファッションの台頭も挙げられる。流行の服を安価で全身分そろえられるようになったため、ファッションの流行に従おうとすると、結果的に「量産型ファッション」になってしまう場合があるといえる。
「量産型ヲタク(オタク)」とは、特定のブランドの似たような服を着用し、同じようなグッズを持つ「オタク(ヲタク)」を指す。「量産型ヲタク」のファッションの最たるものは、「ジャニーズのオタク(ジャニヲタ)」がライブやイベントへ参加する際の服装(参戦服)である。「量産型ジャニヲタ」の特徴としては以下が挙げられる。
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うちわ
コンサートに参加する際の「必須アイテム」が、うちわである。このうちわには、応援対象となるアイドルの顔写真や名前がプリントされている。公式サイトで販売されているうちわもあるが、自分で手作りする「ジャニヲタ」も多い。
ガーリーなファッション
「量産型ヲタク」は、リボンやフリルをあしらったワンピースや黒色のローファーなど、いわゆる「ガーリー」な服装をしている。「量産型オタク」に好まれるブランドとしては、以下をはじめとするものが挙げられる。
- Ank Rouge(アンクルージュ)
- MAJESTIC LEGON(マジェスティック レゴン)
- Samantha Vega(サマンサベガ) 等
「量産型女子」とは、大勢と同じような髪型・髪色・服装・メイクをした、若い女性を指す造語。「没個性的」というニュアンスを含み、否定的な意味合いで使われることもある。
2017年、都内の女子大学生175名・男子大学生78名を対象に、「量産型ファッション」に関するアンケート調査が渡辺教授によって行なわれた。「量産型ファッションとは、どのようなファッションのことを指すか」を自由記述で答えさせたところ、以下をはじめとする回答が得られたという。
- 「ZARAの刺繍(ししゅう)ブラウス」
- 「女子大生が花柄のワンピースを着ること」
- 「巻き髪、茶髪、サマンサのバッグ、花柄スカート、パンプス」
生活科学を研究する広島大学の今川真治教授も、2017年、広島大学に所属する女性学生230名を対象に「量産型ファッション」に関する調査を行なった。「量産型ファッションをしている人をどう思うか」という質問に対し、「(好印象とも悪印象とも)どちらとも言えない」という回答の割合は72.5%だったため、多くの学生は「量産型ファッション」をニュートラルに受け止めていたといえる。
また、今川教授の同調査において、自分の服装を「量産型」だと認識している学生が4割おり、うち約7割が「量産型」であることに「とても満足している」または「やや満足している」と答えた。満足している理由として最も多かったのが「自分の好きな服装ができているから」(50.9%)だったため、「量産型ファッション」はひとつの選択として受け入れられていることがうかがえる。