流行語大賞2020

【カゴパク】流行語大賞2020の唯一の犯罪部門を追った・・・!

11月5日に流行語大賞のノミネート語に「カゴパク」がありましたね。

スーパーなどの店内用の四角い買い物カゴごをそのまま持ち帰る行為。7月のレジ袋有料化にともない問題化した。まとめ買いをしてそのまま自動車に載せて帰る事例が多いという。迷惑行為であり、スーパーなどでは張り紙で注意喚起している。

7月1日にスーパーなどでレジ袋が有料化されて以降、購入した商品を買い物かごに入れてそのまま持ち去る「カゴパク」が増えている。店側は張り紙を掲示するなどして警戒を強めているが、被害が後を絶たないのが現状だ。専門家は、少しの工夫で人を目的の方向へ優しく誘導することができる行動経済学の「ナッジ理論」を活用した対策を提案している。

「袋を持ってくるのも面倒くさく、レジ袋を買うのも惜しかった」―。今月6日、岐阜市内のスーパーから買い物かごを持ち帰ろうとした男性(79)は、注意した女性巡査(23)にそう語った。

パトカーで巡回中だった巡査らは、車を運転中にシートベルト未着用だった男性を呼び止めたところ、助手席に食料品が入った店の買い物かごを発見。後部座席にも空の買い物かごが複数あった。男性は「近くのスーパーから持ってきた。返そうと思っていた」と悪びれる様子もなく弁明したという。巡査は「面倒くさい、数円を支払うのが惜しいといった軽い気持ちで、窃盗という犯罪に手を染めてしまうことが理解できない」と憤る。

「持っていく人は結構いますよ」。同様にカゴパクの被害に悩む岐阜市南蝉の「スーパー三心さぎ山店」の土田潤店長(42)はため息をつく。同店は7月にレジ袋を有料にする前から、精算の前後でかごの色を変え、精算後のかごの持ち手を外すなど対策を取ってきた。しかし、有料化されてからおよそ20個のかごが盗まれた。「買い物かごの持ち出しは500円相当の万引と同じです。見つけ次第、警察に通報します」との注意書きを張り出しているが、「わざわざ出口に店員が立って注意するわけにもいかない。今できるのはこれくらい」と困惑する。

◆デポジット制度、効果的

生活経済学が専門で消費者の心理に詳しい岐阜大学教育学部の大藪千穂教授は「消費者は元々あった物が無くなったり、今まで無料だったものにお金を払ったりすることに不便さやストレスを感じる」と分析。効果的な対策として「ナッジ理論」の応用を提案する。

欧米や国内の一部のスーパーでは、入店時に買い物カートの料金を客が支払う「デポジット(預かり金)制度」を導入し盗難防止の効果を上げている。大藪教授は「精算時に買い物袋があると申告しない限り、かご代を支払ってもらうというルールも効果的だろう」と指摘。その上で「厳しい取り締まりをすると、すり抜けようと考える人や店に腹を立てる人が現れるなどトラブルに発展する可能性がある。消費者を刺激しない方法を考える必要がある」と強調する。

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